『東南文化』2017年第1号主な論文の要旨
1.良渚——神権主導の複合型古国(宋建)
要旨:良渚文化において、神権主導の社会運営が行っている。玉琮は神権の物質化したもので、玉琮を持つものは神権を持つことに等しいと思わせる。玉琮の分割は玉琮の授与関係を示し、神権の授与を示す。各集落が所属するランクは玉琮の持ち方と密接な関係をもっている。それによって、良渚文化は四つのランクに分けられる。良渚文化において、玉琮と玉鉞の使い方は権力構造の変化を示すが、前期には玉器の使い方ついて明確な規制があるが、後期になると玉器の規制が緩やかになっている。それは良渚文化古国前期において政治組織は中央に集中しており、“良渚”集落はそれぞれランクの集落に強大な統制力を持っているが、後期には政治構造が弛んでいることを示した。群雄並立の政治局面が現し、良渚古国が数個古国に分裂した。
キーワード:良渚神権古国玉琮集落ランク玉鉞
2.文明起源を探り歴史痕跡を追求
——李伯謙先生に聞く(李伯謙林留根)要旨:中国考古学は百年近くの建設と発展を経て、その理論と実践は大きく前進した。知名な考古学者李伯謙先生はそれについてこう述べた。考古学は文献史学、社会学と組んで、三つの認知システムを創って、考古学文化研究は地域研究と長期研究と組んで、考古学遺構に含まれている精神領域を重視し、古代社会を研究と復元すべきだ。考古学研究は地層学と形式学そして文化要素分析法を把握し、特に地層学は埋蔵学と組んで使い、文化要素分析法は考古学研究と歴史学研究との架け橋だと認識すべきだ。江蘇における殷周考古学は江北の徐淮夷文化と江南の呉文化研究を把握すべきだ。考古学は文化遺産保護と連携し、考古学の本領を発揮させるべき、考古学を真の人民の事業にさせるべきだ。
キーワード:考古学地域研究と長期研究精神領域研究文化要素分析法夏殷周編年工程文明起源探る工程徐淮夷文化呉文化地層学埋蔵学文化遺産保護李伯謙
3.江蘇鎮江丁家村遺跡発掘簡報(鎮江博物館復旦大学文史研究院)
要旨:江蘇鎮江丁家村遺跡は高麗山と十里長山との間の谷に位置し、殷周時代に当たる典型的な台形遺跡だ。2014年鎮江博物館は発掘調査を行い、柱址と灰坑そして墓が多く検出された。陶磁器と動植物遺骸も多く出土した。当遺跡の調査は寧鎮地区における先住民の居住形態と生計方式などの研究に重要な資料が提供した。炭化小麦の発見は当地区先住民の食生活と小麦の伝播に関する研究に実物資料を提供した。
キーワード:鎮江丁家村遺跡台形遺跡殷周時期
4.江蘇鎮江丹陽馬家双墩D2発掘簡報(鎮江博物館)
要旨:馬家双墩は江蘇鎮江丹陽胡橋鎮双墩馬家村北東に位置し、2016年3-6月にかけて、鎮江博物館が緊急調査を行った。D 2は唯一の墓が葬られた土墩墓で、西周晩期に当たる。当墓の調査は鎮江地区土墩墓の分布、築造方式、時代そして文化属性などの問題の検討に役に立つ。
キーワード:鎮江馬家双墩D2土墩墓西周晩期
5.真実と再構築:博物館展示の本質についての思考(徐玲趙慧君)
要旨:博物館がずっと中立尚且つ客観的に姿勢を持って真実を伝えたと宣告してきた。博物館は公衆との橋としての博物館展示の本質及び過程は博物館真実性を探るポイントだ。博物館において、真実なお具体的な物件から意味を持つ抽象的な展示までの再構築は両方面の影響を受けている。1つは意味を創ること、もう1つは政治との関連。博物館展示過程において真実は再構築されることが避けられないが、博物館はまた権力と知識との体系における重要な現場で、いかに再構築にもかかわらず博物館は一種の”真実”を示すが、それは可視的·相対的、社会に要求される”真実”だ。
キーワード:博物館展示真実性再構築
(翻译:黄建秋)