『東南文化』2021年第4号主な論文の要旨

1.全国における国指定重要文化財統計結果について（一 言 陳 昀）

要旨：我が国において文化財の総数が766722ヵ所に数える。中に5058ヵ所価値の高く保存良好な文化財が国指定重要文化財だと指定されている。我が国において国指定重要文化財保護体制が完成しており、中に古代建築が最も多く、2162か所に数え、国指定重要文化財総数の42.7%に占めている。ついでは古代遺跡、近現代重要史跡および代表的な建築、古代墓、石窟そして石碑などがある。各種類の文化財は時間軸と地域分布において各地域の文化様相を反映している。統計手法をもって国指定重要文化財の特質そして文化財分布の特徴を調べたことは文化財保護に役に立ち、文化財の整備体制と管理能力を向上させることに役に立つ。

キーワード：不動産文化財 国指定重要文化財 文化財保護と利用

2.浙江省紹興市桃村孫呉“嘉禾三年”墓発掘簡報（紹興市柯橋区博物館）

要旨：2020年2月、紹興市柯橋区揚汛橋街道桃村門前山に三国時代磚室墓が盗掘されたため、紹興市柯橋区博物館が直ちに盗掘された墓に緊急調査を実施した。当該墓は単室磚室墓で、平面は凸字形を呈し、「嘉禾三年」「永興」「鍾氏」などの紀元、紀地、紀姓の文字が発見され、青磁遺物4点（組）が出土した。この墓の発掘は六朝初期の墓の構造と早期越窯青磁の研究に重要な資料を提供し、蕭（蕭山）紹（紹興）行政区画の歴史の沿革に重要な実物の例証を提供した。

キーワード：紹興 三国 孫呉 嘉禾 永興

3.宋元時期における広東の磁器運輸と貿易の考古学的観察ーー窯跡以外の資料を中心して（呉 敬 趙東海）

要旨：広東地区における宋元時期の墓と遺跡から出土した磁器が多く、中に北方産、福建産、浙江産と華南産の磁器があり、これらの磁器の時代がそれぞれで、一括遺物に磁器の組み合わせが異なる。広東産の磁器は華南沿海地区そして海外貿易ルートに分布状態を手掛かりにして広東産の磁器の海外輸出のルートを細かく検討した上で、広州港と明州（慶元）港そして泉州港が担った磁器運輸ロードは一方的に磁器を輸出することではなく、品物を輸入することもあることがわかった。これは海のシルクロードにある港の振興と衰微の研究に重要な資料を提供することができた。

キーワード：宋元時代 広東 磁器 墓葬 遺跡 貿易 運輸

4.道器の間：近代以来の“科学”観念の変化と博物館智識の開拓について（関 昕）

要旨：“科学”は近代以来中国における思想と社会変遷の主な概念で、智識本位の特徴を持ち、社会属性を持っている。科学観念の変遷は中国近現代社会構造とイデオロギ-の転換する過程に伴っている。科学観念の進化の性格は同時期に博物館智識様式生成中に博物館内の“科学”が単なる智識体系ではなく、多次元発展路線の智識伝統だと反映している。科学形態が博物館に対して社会文化に影響している。中国博物館智識の発展によって科学観念はある程度知識と社会との二元において互い影響していることを反映している。

キーワード：博物館 科学性 公共性 智識開拓

5.国際関係視野での博物館の対外展示：作用と挑戦（陳 莉）

要旨：国際関係の視野において博物館の対外展示は国家対外政策中の文化外交と位置付けられており眺めてみると人文交流の窓口になる。対外展示の目的はそれぞれで、展示の作用も異なる。一般的に対外展示は国家形象を作たり、コミュニケーションを促進させ、双方の理解を求めたりすることができる。とともに、対外展示は国内外の政治情勢と法律と国家戦略などの製作に左右されており、展示が観覧者に態度及び行動を変更させるかことは文化の偏見に左右されている。これによって、博物館の対外展示の影響力がコントロールできなく、長く発揮していくことになる。これらの挑戦に直面し、中国博物館は民族国家の形象代表として、更なる高度で独自性を普遍性に転換させ、自分の独特な表現手法で他の社会と文化を呈し、人類運命共同体の構築に力を貢献すべきだ。

キーワード：博物館対外展示 国際関係 国家形象 文化外交 文化ソフト力