身体語彙慣用句から見る中日文化の相違点

2016-12-17 21:33张静
科技视界 2016年26期
关键词:意識意味身体

张静

1 はじめに

今、異文化コミュニケーションの発展につれて、言語の交流も重要になりつつある。中国と日本は一衣帯水で、同じ漢字文化圏の隣国であり、昔から緊密な関係を持っている。今、両国の交流はさらに発展しつつあり、言語の交流も多くなってきた。慣用句は(普通中国語では「慣用語」と言うが、本稿では「慣用句」と言う)二つ以上の語から構成され、句全体の意味が個々の語の元来の意味から決まらないような慣用的表現であり、熟語の一つである。身体語彙は日本語慣用句の中で多く使われて、中国語慣用句の中でも出現の数は少なくないということが知っている。身体語彙慣用句の使い方は外国語学習者にとって、簡単ではないと言える。したがって、我々は中日身体語彙慣用句を比較して、その共通性と相違点、特に相違点を把握する必要がある。本稿では主に「膝」「口」「腰」など身体語彙を含む慣用句を例として、身体語彙慣用句の使用上の特徴から比較し、さらにその相違点を生み出す両国文化の相違点を明らかにしたい。

2 中日身体語彙慣用句の使用上の特徴

2.1 同じ身体部分で同じ意味を表す

日本では「膝を交える」という身体語彙慣用句で同席して親しく話し合う様子を表し、中国では「促膝交谈」でその様子を表す。日本では、「腰を折る」で中途で邪魔をして、他人の話を止めさせる様子を表し、中国では「半腰插话」でその様子を表す。以上の例は同じ身体部分「膝」、「腰」で、同じ意味を表すことが分かっている。

人間は同じ身体器官があるから、身体についての認知はほぼ同じである。身体器官に関する身体語彙慣用句の表現形式もほぼ同じである。それに、日本人が古代から中国文化を取り入れて以来、日本文化は中国文化に大きく影響されると考えられる。

2.2 違う身体部分で同じ意味を表す

日本語には「腰をかがめる」、「腰を浮かす」、「腰を据える」、「腰を砕ける」、「逃げ腰」、「及び腰」など、「腰」を重心になる表現は数として相当なものである。例えば、赤ちゃんが「腰が固まって」という表現で赤ちゃんの歩き始めた様子を描写する。老人の歩けない様子を「腰が抜けてしまえば、足自体何でもなくても」という表現で描写する。一方、中国人は、赤ちゃんが歩き始めた様子を「腿有劲了」で、年を取る時や慌てふためいて歩けない時の様子を「两腿发软」や「膝盖发软」で表す。つまり、同じ意味であるが、日本のほうが「腰」で、中国のほうが「膝」で表すことが分かっている。

また、「新しい生活を始め、過去の悪いことを遮断する」を表す時、日本人は「足を洗う」といい、中国人には「洗手不干」という。

2.3 同じ身体部分で違う意味を表す

日本人の心理は言葉を軽視するから、「口」を含む言語表現言葉の意味はほとんど否定的な意味を持っている。例えば:「口が軽い」、「口がすぎる」、「口車に乗る」、「口と財布は締めるが得」、「口には関所がない」、「口が滑る」、「口に任せる」、「口に蜜あり腹に剣あり」、「口の虎は身を破る」、「口を叩く」など、数え切れないほど多い。中国人は何か意見や見方があれば、率直に言うことが好きである。「心口如一」、「心直口快」、「口是心非」や「口诵心惟」などの言葉は口と心の組み合わせ、口と心の一緻を強調し、口と心の統一は中国人の意識ということがよく分かる。これらの表現は、「口是心非」、「有口无心」、「口口声声」、「口惠而实不至」などが挙げられる。したがって、中日では同じ身体部分「口」でも、違う意味を表すことが分かってくる。

3 身体語彙慣用句から見る中日文化の差異

3.1 生活習慣における相違点

日本は畳の上に生活しているから、お客を迎える時「居住まいを正す」ということは必要であり、勝手に膝をそろえるまっすぐ跪いて、「正座」に敬意を表す。これに対して、中国は椅子の生活で、相手が立っている自分が座っているに対して、敬意を全然体現しない。この時、「立ちあがって」と、マナーを表す。一方、中国は長期で北方の遊牧民族との止まらない戦争のため、伝統的な漢民族の「座る文化」が「立の文化」の影響を受けて、現代はほぼ椅子の生活に暮らしている。「男儿膝下有黄金」、「促膝谈心」などの言葉があるが、前者は膝を曲げて座っていることを否定して、後者は、面を向かって座っている二人がこんなに近くて膝が膝にぶつかっている場面はよく思い浮かべる、しかし、「膝を突き合わせる」という動作は根本的な違いがある。「座る文化」と「立の文化」の違いの根源は、畳と椅子の生活から来ると考えられる。

また、日本語には「腰をかがめる」、「腰を浮かす」、「腰を折る」、「腰を据える」、「腰を砕ける」、「逃げ腰」、「及び腰」など、「腰」を重心にする表現は数として相当なものである。その原因は、畳を基盤にした日本人の生活様式と、密接な関係があるということである。

3.2 心理意識における相違点

「日本人の言葉生活の特色として、まず第一に注意すべきは、話さないこと、書かないことをよしとする精神がある」と金田一春彦さんが書かれている。これは実に日本人の言葉に表現する心理意識を明確に示す。

言葉を軽視する日本人の心理は、もちろん身体語彙慣用句に表現する。「口」を含む言語表現言葉の意味はほとんど否定的な意味を持っている。例えば、「口が軽い」、「口がすぎる」、「口車に乗る」、「口と財布は締めるが得」、「口には関所がない」、「口が滑る」、「口に任せる」、「口に蜜あり腹に剣あり」、「口の虎は身を破る」、「口を叩く」など、数え切れないほど多い。口や言葉での交際より、日本人は「勘」や「察し」、「目は口ほど物を言う」「以心伝心」「腹芸」などを重視する。日本人にとって、目や心は口より人々の内心世界を表明できる。

一方、中国人は何か意見や見方があれば、率直に言うことが好きである。寡黙を伝統的な美徳と見なす日本人と違って、中国人は寡黙より、直言して弁が立つ方がいい。「心口如一」、「心直口快」、「口是心非」や「口诵心惟」などの言葉は口と心の組み合わせ、口と心の一緻を強調し、口と心の統一は中国人の意識ということがよく分かる。もし口と心が一致しないと、不誠実な態度で批判されかもしれない。これらの表現は、「口不应心」、「口是心非」、「有口无心」、「口口声声」、「口惠而实不至」などが挙げられる。「赞不绝口」、「交口称誉」、「口碑在道」、「口角春风」、「苦口婆心」、「良药苦口」、「赤口毒舌」、「佛口蛇心」、「血口喷人」、「豆腐嘴,刀子心」などの言葉は、人々の真善美の真心をたたえ、過ちのある人をすすめて導く、あるいわ口を蜜に塗って、心はとても醜い人の恨みを表す。これらは、中国人は好き嫌いがはっきりしている貴重な民族精神があるということを表し、口と言語に一種の弁証の考え方である。

4 終わりに

本稿では、、「膝」「腰」「口」などを含む身体語彙慣用句を例として、身体語彙慣用句の使用上の特徴を比較し、さらに中日文化の相違点を明らかにした。以下のことが分かっきた。

1)日本は「座る文化」を持っているといえる。したがって、日本はよく「腰」を使って、身体語彙慣用句を作成する。中国は長期で北方の遊牧民族との止まらない戦争のため、伝統的な漢民族の「座る文化」が「立の文化」の影響を受けて、現代はほぼ椅子の生活に暮らしていることが挙げられる。したがって、中国は「膝」をよく使って、身体語彙慣用句を作成する。

2)日本人は口や言葉より、「勘」「察し」、「目は口ほど物を言う」「以心伝心」のほうが重視する。中国人は何か意見や見方があれば、率直に言う。中国人は、表裏を強調すると同時に、「裏」を「表」より重視する。これは中国人は「名」を重視する心理が生み出した一種の結果かもしれない。本稿では、「腰」「膝」「口」などの身体部分を含む慣用句の使用上の特徴から中日文化の相違点を研究した。今後、ほかの身体語彙を含む慣用句を分析して、中日文化の相違点をさらに研究するのを今後の課題にする。

【参考文献】

[1]井上宗雄.『例解慣用句辞典』[M].創拓社,2002.

[2]金田一春彦.『日本人の言語表現』[M].講談社,1975.

[3]五光照雄.『言葉から見た日本人』[M].自由現代社,昭和54.

[4]白石大二.『国語慣用句辞典』[M].東京堂出版,1969.

[责任编辑:田吉捷]

猜你喜欢
意識意味身体
阅读理解专练(三)
A Misunderstanding
摄影中的抽象意味 下
摄影中的抽象意味 上
“一例多境”培育初中生法治意识